PINバイパス(暗証番号スキップ)の原則廃止により、現場の会計フロー見直しが必要な店舗が増えています。本記事では、PINバイパスが廃止される目的や、実店舗で必要となる具体的な対策について解説します。まだ対応がお済みでない店舗様は、ぜひ参考にしてください。
PINバイパスが廃止される最大の目的は、クレジットカード決済のセキュリティを強化することにあります。PINバイパスとは、ICチップ付きカードの決済時に、暗証番号(PIN)の入力という本人確認プロセスを省略(バイパス)し、サイン(署名)で代替する仕組みのことです。
しかし、サインは偽造されるリスクがあり、暗証番号の入力に比べて安全性が低いとされています。万が一、カードが盗難に遭った場合、第三者に不正利用される可能性が高まってしまいます。このセキュリティ上の課題を解決し、利用者がより安心してカード決済を利用できる環境を整備するため、国際的なカードブランド主導でPINバイパスの廃止が進められています。
PINバイパス廃止の影響を直接受けるのは、ICカードに対応したPINパッド(暗証番号入力キーパッド)がない旧式の決済端末を使い続けている店舗です。具体的には、以下のようなケースが該当します。
これらの店舗では、PINバイパスが完全に廃止されると、ICカードでの決済そのものが受け付けられなくなる可能性があります。特に、個人経営の小売店や飲食店などで、長年同じ決済端末を利用している場合は注意が必要です。お客様が支払い方法の変更を余儀なくされたり、最悪の場合は購入を諦めたりする「機会損失」につながる恐れがあります。
PINバイパスの廃止は、各カードブランドによって段階的に進められ、2025年をもって主要な国際ブランドでの対応が原則として完了しました。
Visaが先行して対応を進め、Mastercard®、JCB、American Express®、Diners Clubといった他の主要ブランドも2025年3月などを目途に廃止を完了。現在開催中の大阪・関西万博に向けて、世界標準の安全な決済環境の整備が進められた形です。この変更により、未対応の店舗ではICカード決済が利用できない事態が発生しています。
PINバイパスの廃止に対応するためには、暗証番号(PIN)入力に対応した決済端末への切り替えが必須です。ここでは、店舗の規模や状況に合わせた3つの具体的な対策を紹介します。
「Tap to Pay」(タップ・トゥ・ペイ)は、専用の決済端末を必要とせず、お持ちのスマートフォンやタブレットを決済端末として利用できる画期的なサービスです。対応のアプリをインストールするだけで、お客様のタッチ決済対応カードやスマートフォンをかざしてもらうだけで支払いが完了します。
最大のメリットは、専用端末の購入費用がかからない点です。初期コストを抑えたい小規模事業者や、イベント出店・移動販売など、場所を選ばずに決済手段を確保したい場合に最適です。導入も簡単なため、迅速に対応策を講じたい店舗にとって有力な選択肢となります。
モバイル決済端末は、スマートフォンやタブレットにBluetoothで接続して使用する、手のひらサイズのコンパクトなカードリーダーです。代表的なサービスに「Square」や「Stripe」などがあります。
このタイプの端末は、ICチップの読み取りとPIN入力の両方に対応しており、もちろんタッチ決済も可能です。数千円から1万円程度と比較的安価に導入でき、持ち運びが容易なため、テーブル会計を行う飲食店や訪問サービスなどにも適しています。手軽さと機能性のバランスが取れた選択肢と言えるでしょう。
オールインワン決済端末は、カードの読み取り、PIN入力、レシートの印刷といった決済に必要な機能がすべて一台に集約された端末です。スマートフォンやタブレットを別途用意する必要がなく、単体で決済処理が完結します。
据え置き型が主流で、しっかりとしたカウンターが設置されている小売店や飲食店に向いています。導入コストは他の方法に比べて高くなる傾向がありますが、操作が安定しており、スタッフ誰でも使いやすいのが魅力です。POSレジとの連携もスムーズな機種が多く、本格的な店舗運営を目指す事業者におすすめです。
「すぐに資金を受け取りたい」「決済手段の幅を広げたい」「訪日外国人に対応したい」など、店舗によって導入時に重視したいポイントはさまざまです。
本サイトでは、よくある重視ポイントである「入金サイクル」「決済手段の多さ」「インバウンド機能」に注目し、3つのキャッシュレス端末ブランドを厳選してご紹介しています。自店舗に適した端末選びの参考にぜひご活用ください。
PINバイパス廃止の要点は、本人によるPIN入力の原則化と、据え置き会計から持ち運び会計への移行ニーズです。まずは現場の導線と客層を見直し、Tap to Payやモバイル/オールインワン端末のいずれかで「その場でPIN入力できる体制」を整備しましょう。切替時期や設定は提供事業者に事前確認を。周知と操作訓練をセットで行えば、会計体験を損なわずに移行できます。
どの決済端末を導入するかは、今後の店舗運営を左右する重要な判断です。当メディアのTOPページでは、「手数料の安さ」「入金サイクルの速さ」「対応ブランドの豊富さ」といった重視したいポイント別に、おすすめのキャッシュレス決済端末を紹介しています。ぜひ比較検討の参考にしてください。
キャッシュレス決済端末を選ぶ際に重視されやすいサービス別で、おすすめの決済端末を紹介しています。
入金サイクルは最短翌営業日。月2回支払いのキャッシュレス決済サービスが多い中、売上がすぐに手元に入ることが魅力。
迅速な仕入れが必要なイベント出店時でも、仕入れ用の資金を確保しながら運営が可能。
77種の決済種類に対応。特定地域で展開しているアプリやQRコードなどにも対応しており、地域活性化や集客を支援する効果も期待できる。
地方銀行が提供する決済にも対応し、銀行とのつながりが強い高齢者への強みも発揮。
米ドルを始めとした19種類の通貨で決済が可能なため訪日外国人へのサービス向上が可能。
また、免税処理をパスポートの読み取りと商品情報などの入力のみで行え、お客様とスタッフ双方の手間が省ける。