流通系電子マネー対応のキャッシュレス決済端末

目次

キャッシュレス化が進む中で、流通系電子マネーに対応した決済端末の導入が広がっています。この記事では、流通系電子マネーに対応したキャッシュレス決済端末のメリット・デメリット、選び方のポイントについてわかりやすく解説します。

その他のキャッシュレス決済端末も紹介していますので、自社のニーズに合わせた決済端末を選ぶ参考にしてください。

流通系電子マネー対応のキャッシュレス決済端末とは

流通系電子マネーとは、小売業者やコンビニエンスストア大手が発行する電子マネーです。WAON(イオン)、nanaco(セブン&アイ)、楽天Edyなどがあります。これらは系列店舗、提携店舗での利用に特化していて、ポイント還元やキャンペーンなどの優遇措置が強みです。これらの電子マネーを使ったキャッシュレス決済をおこなうためには、専用のキャッシュレス決済端末が必要です。決済端末は非接触ICカードやスマートフォンによる支払いを受け付け、POSシステムと連携して売上管理や顧客情報の分析などもおこなうことができます。

流通系電子マネー対応のキャッシュレス決済端末のメリット・デメリット

流通系電子マネー対応のキャッシュレス決済端末には、店舗経営につながるメリットやデメリットがあります。

メリット

会計がスピーディー

非接触型ICカードやスマートフォンをかざすだけで決済が完了するので、レジ業務が効率化され、会計時間の短縮につながります。現金の受け渡しや釣銭のやり取りが不要なので、従業員の負担も軽減できます。決済処理は平均6~10秒程度と非常に速く、混雑時でもスムーズに決済できます。待ち時間や行列の解消に貢献し、顧客満足度の向上にもつながります。

広い顧客層に対応できる

クレジットカードのような審査が不要で、年齢制限もないので、未成年や学生などクレジットカードを持ちにくい若年層でも利用できます。また、チャージ式で現金を併用できるため、キャッシュ派の顧客にも受け入れられやすい傾向があります。誰でも手軽に使える利便性が大きなメリットです。

ポイントによる集客・リピーター化が期待できる

WAONやnanaco、楽天Edyなどでは、決済金額に応じて系列店独自のポイントや期間限定のボーナスポイントが付与される仕組みがあり、顧客の購買意欲を高めています。貯まったポイントは次回以降の買い物に利用できるので、再来店の動機づけにもなり、リピート率を向上できます。ポイント施策を活用することで、顧客の囲い込みが図れ、安定した集客が期待できます。

現金管理の負担軽減

電子マネー決済では釣銭のやり取りが不要なので、釣銭ミスや現金盗難のリスクを低減できます。売上データが自動的にデジタルで記録され、手作業による集計や確認作業が不要となり、日々の会計業務も効率化されます。現金を扱う場面が減ることでスタッフの負担も軽減され、店舗運営全体の安全性と生産性が向上します。

未回収リスクの減少

流通系電子マネーは前払い式(プリペイド型)が主流なので、未回収リスクを軽減できます。利用者が事前にチャージした金額の範囲内でのみ決済がおこなわれ、店舗側が代金を回収できない配がありません。クレジットカードのような後払い方式に比べて、債権の発生がなく、未収金処理や督促業務の手間も不要です。店舗のキャッシュフローの安定化や経営リスクの低減につながります。

デメリット

初期・運用コストがかかる

端末の購入費や設置費用が発生し、導入時に一定の初期投資が必要です。月額の運用費や保守費用が継続的にかかる場合もあります。加えて、決済ごとに1〜3%台の手数料が発生するので、売上に対する利益率が下がる点に注意が必要です。特に小規模店舗にとっては、このようなコスト負担が導入のハードルとなることがあります。

高額決済に不向き

プリペイド型が多く、あらかじめチャージして利用する仕組みなので、利用額には上限が設定されています。たとえば、WAONでは20,000円、nanacoでは50,000円がチャージ上限となっており、それを超える金額の決済は行えません。家電や家具などの高額商品を扱う店舗や、大口取引が多い業種では対応が難しく、他の決済手段との併用が必要になるケースもあります。

端末やシステムの障害リスク

決済には通信環境が必要で、回線トラブルやシステム障害、停電などが発生すると、端末が使えなくなり決済処理が停止する恐れがあります。特に混雑時や繁忙期に障害が起きると、業務に大きな影響を及ぼします。そのため、いざという時に備えて現金決済を含む複数の支払い手段を用意しておくことが重要です。完全なキャッシュレス化には慎重な運用体制が求められます。

流通系電子マネー対応のキャッシュレス決済端末の選び方

流通系電子マネー対応のキャッシュレス決済端末のメリット・デメリットを理解した後は、端末の選び方をチェックしましょう。ポイントは次の5つです。

  1. 端末のタイプ
    据え置き型、モバイル型、スマホやタブレット型があり、店舗の設置環境や屋外イベントなど利用シーンに応じた選定が大切です。POSレジや会計ソフト、ポイント連携アプリとの接続性も業務効率に直結するので、導入前に確認しておきましょう。
  2. サポート体制・保守
    万一の故障やトラブル時の対応の迅速性や、保守サポートの有無を事前に確認しましょう。導入前の初期設定サポートや、導入後の操作説明・トラブル対応が充実しているサービスを選ぶことで、安心して運用できます。
  3. 対応ブランドの豊富さ
    WAON、nanaco、楽天Edyなど、主要な流通系電子マネーに対応していることを必ず確認しましょう。顧客が使いたい電子マネーが使えない場合、機会損失につながる可能性があります。幅広いブランドに対応した端末を導入することで、より多くの顧客ニーズに応えられ、売上向上にも貢献します。
  4. 決済手数料と入金サイクル
    端末ごとに初期費用や決済手数料が異なります。また、入金サイクル(資金回収のタイミング)も端末によって異なるので、店舗の規模や売上頻度に応じて、コストとキャッシュフローのバランスを見極めることが大切です。
  5. 利用率・ニーズの下調べ
    既存顧客の年齢層や購買傾向、よく利用されている決済手段を把握することで、必要な電子マネーブランドや最適な端末タイプが見えてきます。無駄な機能を避け、実際の利用ニーズに合った端末を導入することで、コスト削減と顧客満足度の向上が期待できます。

キャッシュレス決済端末を選ぶ際に重視されやすいサービス別で、おすすめの決済端末を紹介しています。

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