日本のインバウンド市場は急速な回復を見せており、多くの店舗にとって外国人観光客への対応が売上向上の鍵となっています。日本政府観光局(JNTO)によると、2024年3月には訪日外客数が単月で初めて300万人を超えるなど、その勢いは増すばかりです。(※)
しかし、多様な国から訪れる観光客の決済ニーズは現金だけでは満たせません。彼らが自国で使い慣れたクレジットカードやQRコード決済に対応できていないと、貴重な販売機会を逃すことにつながります。この記事では、外国人観光客に喜ばれるキャッシュレス決済の種類や、店舗に導入する際の選び方、注意点を解説します。
訪日外国人観光客が利用する決済方法は、出身国や地域によって大きく異なります。観光庁の調査でも、支払い方法としてクレジットカードが最も多く利用されている結果となっていますが、アジア圏ではQRコード決済も広く普及しています。主要な決済方法を理解し、幅広く対応することが重要です。
国や地域を問わず、多くの訪日客が利用するのがクレジットカードです。特に欧米からの観光客にとっては主要な決済手段となっています。
世界的なシェアが高いVisaとMastercardは、インバウンド対応に欠かせない決済ブランドです。欧米圏だけでなく、アジア圏の観光客も多く利用するため、最低限この2つは対応しておく必要があります。
UnionPay(銀聯)は、中国で発行されるカードに付帯している国際ブランドで、中国人観光客への対応には必須です。中国からの訪日客は多く、高額な買い物をする傾向もあるため、銀聯カードへの対応は売上アップに直結します。
特に中国や東南アジアからの観光客の間では、スマートフォンを使ったQRコード決済が日常的に使われています。
Alipay+は、中国のAlipayをはじめ、韓国のKakao Payや香港のAlipayHKなど、アジア各国の決済サービスと連携できるプラットフォームです。導入することで、複数の国や地域のQRコード決済にまとめて対応できます。
WeChat Payは、メッセージングアプリ「WeChat」に搭載された決済機能です。中国ではAlipayと並ぶ主要な決済手段であり、中国人観光客の集客には欠かせません。
クレジットカードやスマートフォンを専用端末にかざすだけで支払いが完了するタッチ決済(NFC)は、世界的に利用が拡大しています。
iPhoneやAndroidスマートフォンにクレジットカードを登録して利用する決済サービスです。セキュリティが高くスピーディに支払いが完了するため、特に欧米からの観光客に好まれます。
外国人観光客向けの決済サービスを導入する際は、店舗の客層や運営に合ったものを選ぶことが重要です。以下の5つのポイントを比較検討しましょう。
店舗の主な客層に合わせて、必要な決済ブランドをカバーできているか確認します。欧米からのお客様が多いならVisaやMastercard、アジア圏からなら銀聯やAlipay+など、ターゲットが日常的に使う決済手段への対応が必須です。
端末の画面表示が英語や中国語などに対応していると、お客様が安心して操作できます。また、トラブル時に備え、事業者向けのサポートが多言語に対応しているとより安心です。
免税店の場合、決済と同時に免税手続きを行える機能があると会計が非常にスムーズになります。お客様の待ち時間を短縮し、満足度向上にも繋がります。
端末代などの初期費用だけでなく、決済手数料や月額利用料を含めたトータルコストで比較しましょう。長期的な視点で、費用対効果を見極めることが大切です。
売上金が自社の口座へ入金されるまでの期間を確認します。入金サイクルが早いほどキャッシュフローが安定するため、特に個人店や小規模事業者にとっては重要なポイントです。
Squareは、店頭とオンラインの会計・請求を同じアカウントで扱える決済プラットフォームです。インバウンド対応では、主要クレジットカードに加えてタッチ決済(Apple Pay/Google Pay)に対応し、 iPhoneだけで非接触決済を受け付けられる「Tap to Pay on iPhone」も利用できます。レジ前の混雑や臨時販売でも、追加機器なしで素早く会計できるのが特長です。最新のアップデートでUnion Payにも対応し、インバウンド目的での利用も問題なくできます。
多言語対応もシンプルです。Square POSレジアプリやSquare Terminalの表示言語は、使用している端末の言語設定に合わせて英語表示で運用できます。レシートや請求メールには自由記述欄があり、英語の案内文を添えるだけで店頭での案内が通じやすくなります。例:「Please tap your card or phone.(カードまたはスマホをかざしてください)」「Tax-free procedure available.(免税対応あり)」。
予約のドタキャン対策には「Square請求書(Invoices)」が使えます。英語の請求書を作成してメールやSMSで送信し、支払い期限や予約金(デポジット)を設定できます。未払いの自動リマインド送信、複数回に分けた請求、注意書き欄へのキャンセル規定の明記にも対応します。
クレジットカード、電子マネー、QRコード決済を1台でカバーできるオールインワン端末。UnionPayやAlipay、WeChat Payなど訪日客が多用するブランドにも対応しており、幅広い顧客ニーズに応えられます。多言語表示やタッチ決済対応も強みです。
月額利用料が必要なため、長期利用のコストを考慮して導入を検討する必要があります。
30種類以上の決済方法に対応しており、主要なクレジットカードに加え、中国QR決済も利用可能。観光地や大都市など多国籍な顧客層に対応できる柔軟性があり、インバウンド対応力の高さが魅力です。
審査や端末到着まで時間がかかることがあり、急な導入には不向きな場合があります。
中国人観光客の多くが利用するAlipayやWeChat Payに特化した端末も有効な選択肢です。日本を訪れる中国人はインバウンド市場で大きなシェアを占める傾向にあり、この2つの決済手段への対応は重要といえます。専用端末や既存端末のオプション追加で導入でき、飲食店や免税店など中国人来訪が多い業態で効果が期待できます。
当メディアではキャッシュレス端末Square、AirPAY、steraをより詳しく比較していますので、以下のページも参考にしてください。「すぐに資金を受け取りたい」「決済手段の幅を広げたい」「訪日外国人に対応したい」など、店舗によって導入時に重視したいポイントはさまざまです。
本サイトでは、よくある重視ポイントである「入金サイクル」「決済手段の多さ」「インバウンド機能」に注目し、3つのキャッシュレス端末ブランドを厳選してご紹介しています。自店舗に適した端末選びの参考にぜひご活用ください。
外国人向けキャッシュレス決済の導入をスムーズに進めるためには、事前の準備が欠かせません。導入後に慌てないよう、以下の3つの点を確認しておきましょう。
新しい決済端末を導入しても、スタッフが操作できなければ意味がありません。特に外国人観光客の接客では、どの決済ブランドが利用可能か、どのように操作すればよいかをスムーズに案内できる必要があります。操作マニュアルを整備したり、簡単な外国語の案内フレーズを用意したりするなど、全スタッフが対応できるよう準備しておきましょう。
多くのキャッシュレス決済端末は、Wi-Fiやモバイル回線などのインターネット通信を利用します。店舗の通信環境が不安定だと、決済処理に時間がかかったり、最悪の場合は決済が失敗したりする可能性があります。お客様に迷惑をかけないためにも、安定した通信環境を事前に確保することが不可欠です。
キャッシュレス決済の普及に伴い、クレジットカードの不正利用リスクにも注意が必要です。ICチップと暗証番号(PIN)による決済を基本とし、決済代行会社が提供するセキュリティ対策を正しく理解して運用することが、店舗とお客様を守ることにつながります。不審な取引があった場合の対応フローも事前に確認しておくとよいでしょう。
この記事では、外国人向けのキャッシュレス決済について解説しました。重要なポイントを以下にまとめます。
訪日外国人観光客が急増する今、外国人向けキャッシュレス決済への対応は、販売機会を逃さないための重要な経営戦略です。クレジットカードはもちろん、QRコード決済やタッチ決済など、お客様が自国で使い慣れた決済手段を提供することが、顧客満足度の向上と売上アップに直結します。この記事を参考に、自店舗の客層に合った決済サービスを導入し、インバウンド需要を確実に取り込みましょう。
キャッシュレス決済端末を選ぶ際に重視されやすいサービス別で、おすすめの決済端末を紹介しています。
入金サイクルは最短翌営業日。月2回支払いのキャッシュレス決済サービスが多い中、売上がすぐに手元に入ることが魅力。
迅速な仕入れが必要なイベント出店時でも、仕入れ用の資金を確保しながら運営が可能。
77種の決済種類に対応。特定地域で展開しているアプリやQRコードなどにも対応しており、地域活性化や集客を支援する効果も期待できる。
地方銀行が提供する決済にも対応し、銀行とのつながりが強い高齢者への強みも発揮。
米ドルを始めとした19種類の通貨で決済が可能なため訪日外国人へのサービス向上が可能。
また、免税処理をパスポートの読み取りと商品情報などの入力のみで行え、お客様とスタッフ双方の手間が省ける。